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北京-上海間を5時間で結ぶ高速鉄道

2011年6月28日 17:58

中国鉄道省は13日、北京―上海間の高速鉄道が6月末に開通すると発表した。当面は最高時速300キロで運行し、現在は約10時間かかる同区間を最短なら半分の4時間48分で結ぶ。7月1日の中国共産党創立90周年に合わせて国威発揚を狙う半面、採算は厳しそうだ。


 北京―上海間の料金は時速300キロで2等席555元(約6900円)、1等席935元、ビジネス席1750元。250キロの列車なら2等席410元、1等席650元とやや安い。インターネットでも販売するという。一部は格安航空券並みの設定となり、空の便との競合が見込まれる。

 今回の高速鉄道の総投資額は2200億元(約2兆7千億円)に上り、中国の公共事業では最大規模。総延長は1318キロで、東京―博多間よりも100キロ以上長い。24カ所に駅を置き、北京、天津、河北省、山東省、安徽省、江蘇省、上海を通る。沿線の域内総生産は中国の国内総生産(GDP)の約4割を占める。輸送能力の増強や観光振興に期待は大きい。

 鉄道省の胡亜東次官は13日の会見で「中国の高速鉄道は世界一流だ」と強調した。高速列車「和諧号」は昨年末の北京―上海間の試験走行で日本の新幹線の最高時速を上回る486キロを記録し、同省幹部は自主開発したと主張する。


 実際は日本の川崎重工業や独シーメンスの技術が基礎にある。設計段階で最高時速は350キロだったが、川重やシーメンスは安全確保を理由に運行速度を抑えるよう助言してきた。中国の国内でも安全性への懸念が根強いため最高300キロで走行する。感知設備を整え、地震対策も進める。

 一方で総投資額が膨らみ、負債に伴う毎年の利払いと運営コストは合計200億元に達する。採算面では逆風が続く見通しだ。また、中国の会計検査署(会計検査院に相当)は同区間の建設工事で50億元の不適切な契約があったとして、劉志軍・鉄道相ら鉄道省幹部が相次いで解任された。

 後任の盛光祖・鉄道相は安全や公正さを重視し、最高時速の引き下げもその一環とみられる。国内では今年の鉄道建設の投資額を当初の7000億元から6000億元に圧縮し、一部路線の建設凍結も検討している。

(2011/6/13 日本経済新聞)

http://www.nikkei.com/video/?bclid=72823327001&bctid=990340241001

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