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利用者4億人の中国版「LINE」、海外戦略で成功できるか―中国紙

2013年6月16日 00:09

2013年6月14日、中国のネット大手・騰訊(テンセント)のポニー・マー(馬化騰)最高経営責任者(CEO)はこのほど、「テンセントは今は中国で多くの利用者と高い知名度を獲得しているが、海外ではほとんどの人に知られていない」と率直に述べた。人民日報海外版が伝えた。


テンセントが提供する無料メッセンジャーアプリ「微信」は中国での利用者4億人を抱えるようになると、国際化戦略を鳴り物入りで打ち出したにもかかわらず、海外での利用者は5000万人にとどまり、戦略は思うように進展していない。


日本を例に取ると、微信の海外版「WeChat」の利用者のほとんどが中国人だ。ある報道によれば、日本で働く中国人を対象に調査したところ、WeChatは日本に適応していないという結論になった。たとえば、日本人は「検索」を通じてやってきた「友達」を非常に警戒するため、中国国内の微信にある「周囲にいる利用者を表示する機能」に似た「Look around機能」は評判が悪い。日本人にはインスタントメッセンジャー「QQ」を利用した経験がなく、QQから移植された絵文字に奇妙なものを感じる。また、WeChatにはゲーム機能がなく、ゲーム産業が盛んな日本では隅に追いやられることになるという。


韓国にはKakao Talkがあり、日本にはLINEがあり、微信は東南アジア市場に力を注ぐが、ライバルは手強い。微信国際化のカギは欧米市場に進出できるかどうか、特に米国市場に進出できるかどうかだ。だが米国で一定のシェアを確保するのはより難しいようだ。


米国は世界のインターネット科学技術イノベーション発祥の地であり、WhatApp、Facebook Messengerといった十分に成熟した商品がある。とりわけ利用者が10億人を超えたFacebookを前にして、微信はその先進的な商品をどのように認知してもらえばいいだろうか。商品の機能面での新鮮な魅力をどうやって米国市場に伝えたらいいだろうか。微信は中国ではQQの膨大な利用者という後ろ盾があるが、米国にはもちろん後ろ盾はなく、「入口」をどうするかが喫緊の課題になっている。


それだけではない。中国のネット大手で米国市場への進出に成功した例はほとんどない。言語の問題からデータの安全性への配慮など、一連の課題が横たわっているからだ。昨年、オバマ政権が発表したプライバシーの権利をめぐる法案では、インターネット企業およびモバイルインターネット企業への制約が一層厳しくなり、利用者の個人情報をより慎重に取り扱うことが義務づけられている。ここからわかることは、微信が米国の利用者の信頼を勝ち取るのはたやすいことではないということだ。


インターネットの隆盛により地球が一つの村のようになる時代がやってきた。コミュニケーションにおいて地理的な場所が障害になることはなくなったが、なお隔たりはある。文化的な相違、利用者のコミュニケーションや交流をめぐる習慣の違い、データの安全性といった一連の問題を含む隔たりだ。グーグルはアジアで破れた。日本ではヤフーに及ばず、韓国ではNaverに負けた。Facebookは世界を席巻したが、ブラジルではグーグル傘下から切り離されそうになるOrkutに惨敗を喫した。中国企業「盛大」は米ナスダック市場で上場を果たしてから8年で、最終的にひっそりと退場することを選んだ。こうした事例はいずれも、拡張型のネット企業がグローバルな視点に立った戦略で苦境に陥った例だ。


中国では阿里巴巴(アリババ)が国際貿易の市場環境をよりどころとして海外進出を果たしている以外に、商品を海外市場に持ち出す力のある企業の2番手は百度、3番手は微信だ。残念なことに、中国ネット企業が自国での成功例を国際市場に移植できたモデルはまだ存在しない。微信は「石を叩いて川を渡る」しかない。

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